顎関節症は顎の関節から音がしたり、痛みがあったり、時には口を開けにくくなったり、顎を支えている筋肉に痛みが起こったりする病気です。
原因はなに?
原因は、歯ならびや生活習慣、ストレスや頚椎の異常、筋肉の緊張などいろいろな要素がからみ合って起こっていると考えられます。
どんな治療をするの?
当院では生活習慣の改善による治療を行っています。
痛みのひどい場合や口が開けにくいときには、短期間痛み止め等のお薬やレーザーを使うこともあります。ケースによっては、スプリントといってスポーツ選手がするようなマウスガードのようなものを装着することがあります。
すべて保険治療になります。
生活習慣の改善とは?
人間にはいろいろな状態や環境に慣れる(順応する)能力があります。しかし、その許容範囲を超えてしまうと、故障を訴えます。顎関節症も悪い生活習慣が長い時間かかって許容範囲を超えたため自覚症状がでたと考えられます。このようなことから、顎関節症は生活習慣病とも言えます。
そこで、生活習慣を改善することにより、症状を許容範囲の中へ戻してあげようという考えです。
何に気をつければいいの?
次の習慣に思い当たるところがあったら直してみてください。
- 症状を悪化させないために、顎で雑音をさせて遊ばない、口を大きく開けない、硬いものを無理して噛まない、顎の痛くなる開け方をしない、歯ぎしりやかみしめ、顎を押さえるなどの習癖は止める。
- 姿勢を良くすることと、頬杖をつく、顎を前に出す、日中の歯ぎしりなどの口腔習癖は止めるようにする。
- 顎運動のリハビリテーションとして、ご飯、野菜、魚や肉の切り身などの普通の食べ物を奥歯でゆっくり噛んで食べる。片側咀嚼をしない、食事中に水やお茶を飲まない。
- 顎をいたわりながら両方の臼歯でゆっくりと咀嚼する習慣をつけることが大切。くよくよせず適度の気晴らしをして、ストレスをためない。
がんばって、続けてみてください。
歯ぎしり・噛みしめを生活習慣で治そう
「歯ぎしり」や「噛みしめ」は、決して特異なことではありません。誰もがしている一種の「くせ」と考えて良いでしょう。しかし、ひどくなると時に次のような問題を起こします。
- 歯への障がい
歯の摩耗・歯の破折・歯がしみる・噛むと痛い 等 - 歯周組織への障がい
歯肉炎・歯周病(=歯槽膿漏) - 顎関節への障がい
顎関節症・開口障がい・カックン音 - 全身への障がい
顔面痛・頭痛・肩こり・腕のしびれ・腰痛 - その他
舌痛症・むちうち症状・倦怠感
これらの症状のすべてが「歯ぎしり」「噛みしめ」に因るものというわけではありませんが、無用な悪いくせはなくしておく方が良いでしょう。
1.まずは日中の気づきから
仕事中や勉強中など、何かに夢中になっているとき、ふと気がつくとしっかり噛みしめている、あるいは舌を吸いつけていることはありませんか?
そんな時には、肩を上下させ、首から上の力を思い切り抜いて、頬の力を抜き、歯を噛み合わせないようにします。
2.寝ているときのコントロール
- 枕を低くしましょう
後頭の一番出っ張ったところより首の付け根近くに枕を置きます。そうすることで、口が開きやすくなり噛みしめを起こしにくくします。 - 布団に入ったら何も考えないようにしましょう
布団の中は眠るだけのところと決めてください。もしどうしても考えることがあれば、一度布団から出て考えるようにしましょう。 - 眠る前のトレーニング
- まず思い切り噛みしめる。1~2秒後にフッと顎の力を一度に全部抜く。
- 息を吸いながら思い切り大きな口を開け、ガクンと一気に脱力すると同時に息を吐く。
- 肩➡胸➡腹➡太ももの順に、力をいれる➡脱力を行う。全身の力が抜けた状態でぐっすり眠る。
スプリントを使用した治療をご存知ですか?
当院では、歯ぎしり・くいしばり・顎関節症がひどい方に、取り外し式のマウスピース『スプリント』の使用をおすすめしています。
スプリントはこんな方におすすめです
- 顎に痛みや疲れを感じる人(顎関節症)
- 顎から「カクカク」と音がする人
- 寝てる間に、歯ぎしり・くいしばりをする人
- 肩こりや頭痛のある人に有効な場合もあります
スプリントの効果
スプリントをお口の中に装着することにより、顎の関節に加わる力を軽減したり、かみ合わせを正しい位置に誘導していきます。これにより、口の周りの筋肉の調和がとれ、顎・顔面・全身の安定を図ります。
スプリントの使用法
自分でスプリントを装着し、基本的に毎日、就寝時にはめて使用します。
※昼間もくいしばってしまう方は昼も使用します。
スプリントの種類
ソフトタイプ➡くいしばり用
ハードタイプ➡歯ぎしり・くいしばり用
※ スプリントの制作費用は、ソフトタイプ・ハードタイプ共に保険治療が適応されます。
スプリントができるまで
- 歯の型をとり模型を作ります
- 1~2週間後の次回来院時までにスプリントを作成します
- 出来上がったものを装着し調整します
- 1~2週間後に使用していたスプリントを再度調整します(使用感・かみ合わせをチェックします)
お気軽にドクター・スタッフまでご相談ください。